既婚で子育てをしながらフルタイムの仕事を持っている40代女性です。仕事でもそうなのですが、人に迷惑をかけることがすごく怖いと感じてしまいます。
特に最近ストレスを感じるのは、義母に2歳の子供を預けて仕事に行くことです。平日は保育園に行っているのですが、保育園を嫌がるので土日祝日の仕事の時は義母に預けていきます。
義母は喜んで預かってくれているように見えますが、やはり休みの日には出掛けたい思いがあるようですし、すごく迷惑をかけていると感じて自分を責めてしまいます。仕事でも同僚に頼んで定時で帰るといったことも迷惑をかけてしまうようで出来ません。
毎日ヘトヘトです。
体調が悪くても、夫も仕事があるんだから…と思うと、なかなか家事を頼むことも気が引けてしまいます。このままでは倒れてしまうのではないかと不安になります。
何かアドバイスいただきたいと思い、ご相談させてもらいました。よろしくお願いします。
40代女性の方から「人に迷惑をかけるのが怖くてストレスが溜まってしまう」というご相談を頂きました。
私自身も同じように人に迷惑をかけてはいけないという考えを小さな時から持っていて、すごく頑張りすぎてストレスを溜め、うつやパニック障害になってしまいました。
迷惑をかけてはいけないと強く思い過ぎていた私自身の体験談からご紹介します。
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『人に迷惑をかけてはいけない』と頑張りすぎて動けなくなった私の体験談
私は33歳で結婚して、35歳で出産しました。
出産後も実家に頼ることなく、1人で子育てと家事を頑張りましたが、初めての育児にノイローゼ状態。
産後うつになりました。
それでも通院して一旦は回復したのですが、相談者さんと同じように正社員で働きながら、家事や子育てをほとんど一人で頑張るうちに、とうとう本格的にうつやパニック障害になってしまいました。
私が迷惑をかけてはいけないと頑張ったのは次のようなことです。
- 体調が悪いけど、休んだら職場の人に迷惑をかけてしまう
- 子供が熱を出した時も、夫に迷惑をかけないように夜も一人で看病していた
- 動けないほど辛いけど、家事をしていないと夫に迷惑をかける
- 仕事を辞めてゆっくりしたいけど、仕事を辞めたら職場にも家族にも迷惑が掛かる
- 子供の寝かしつけを頼みたいほどグッタリだけど、夫の晩酌を邪魔してはいけない
今思えば私自身も仕事を持っているわけですし、もう少し頼っても良かったんじゃないかなと思うんですが、その当時は「迷惑をかける」という思いに囚われていました。
だんだん一人で抱え込むのが辛くなり、寝込んだりするようになってしまい、仕事も休職して金銭的にも余裕が無くなり、次第に夫婦関係も悪くなり離婚という形になりました。
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私が「迷惑をかけてはいけない」という考えを手放した方法
うつ病やパニック障害という体力的にも気持ちにも余裕のない状態から、別居・離婚、退職、引っ越しによる環境の変化と様々な出来事が重なり、私自身限界でした。
どうにかして苦しみから解放されたいと思い、一時期は生きることをやめようと思った時期もありましたが、我が子のことを考えると「もっとこの子と長く一緒にいたい。母親がいなくなったらどんなに悲しいだろうか」と考えたんです。
そこから私は心理学を学び始めたのですが、「迷惑をかける」と「頼る」は違うということを初めて意識しました。
私の中での「迷惑」というのは以下のようなことです。
- 夜中に大声で騒ぎ、近隣の人たちに迷惑をかける
- 仕事を何の連絡もなしに休む
- スーパーのレジで割り込む
- 人の家の駐車場に勝手に車を停める
- 友人宅に突然押しかけて、断られても居座る
- 酔っぱらって暴れてお店の人を困らせる
このような考えを明確にしてみると、私が「迷惑をかける」と思って禁止していたことは、「頼る」という方に分類されるんじゃないかと考えました。
そして恐る恐る「人に頼る」ということを意識してやってみたのです。
人に頼ったら嫌われるんじゃないかとか、人に頼ったら迷惑かけるんじゃないかとかいう恐怖が湧いてきましたが、それでも小さなところから「頼る」ことをしてみたんです。
その結果、少しずつ「頼る」ということが分かってきて、極度に「迷惑をかけてはいけない」という価値観から卒業ができ、その後は「わがままなんじゃないか?」というほど頼ることも出来るようになりました(笑)
♦私が頑張りすぎて人生に疲れてしまった記事は以下にありますので、宜しければ読んでみてください。
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「迷惑をかけてはいけない」という価値観を見直すための考え方とは?
私が「迷惑をかけてはいけない」という強すぎる考えを柔軟にさせた方法は以下の通りです。
- 「迷惑」と「頼る」の違いをハッキリさせる
- 「迷惑をかけたらどうなりそうなのか」を考えてみる
- 「本当に相手が迷惑だと思っているのか」を理論的に考える
- 迷惑をかけることは悪いことなのかを考えてみる
私達は小さな頃からたくさんの価値観を自分の中に取り入れています。
禁止が強すぎて生きづらさを感じてしまうものもありますが、いつからでも価値観は変わっても良いのです。
今の価値観が生きづらいのであれば、柔軟に変更していってもいいのです。
ただし、長年信じてその価値観に従って生きてきたので、簡単には変わらないかも知れません。
一つずつ見直していき、もしも「今は不要だな」と感じた価値観は手放していっても良いんじゃないかなと考えています。
それぞれ説明していきますので、一緒に整理してみましょう!
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迷惑をかけたくないと思ってしまう時の考え方➀「迷惑」と「頼る」の違いをハッキリさせる
漠然と「人に迷惑をかけてはいけない」と考えていましたが、どこまでが「迷惑」でどこまでが「頼る」になるのか、どこまでが「お世話になる」になるのか、考えたことはありますか?
「迷惑をかける」のと「お世話になる・頼る・甘える」などは、意味が違うと考えます。
私の「迷惑」と「頼る・お世話になる」の違いは次のようなものでした。
迷惑になりえる言動 | 頼る・お世話になる考え方や言動 | ||||||||
出来る仕事も面倒だから人にやらせる | 自分の出来ない部分を手伝ってもらう | ||||||||
人の都合はお構いなしに自分の都合を通す | 人の都合も考えつつ、頼らせてもらう | ||||||||
迷惑と分かった上で、人に不快な思いをさせる | 相手に思いやりや感謝を持ち、お世話になりますという気持ちで甘えさせてもらう | ||||||||
ゴミを平気で何の理由もなくポイ捨てする | 自分の事情を話しつつ、相手も尊重する頼み方をする | ||||||||
酔っぱい暴れて人を傷付ける言動をする | 不快だと分かっていることは、なるべく頼まない | ||||||||
自分の機嫌を取ってもらおうとするクレーマー | 相手に原因があることでも、相手の背景も思いやり、「お互い様」の心で接する |
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迷惑をかけたくないと思ってしまう時の考え方➁「迷惑をかけたらどうなりそうなのか?」を考えてみる
迷惑をかけたらどうなりそうだと考えているでしょうか?
迷惑をかけたその先に、何が起こると思っているのでしょう?
私自身が「迷惑をかけたらどうなりそうだ」と考えていたか、実例をご紹介します。
- 相手を困らせることになり申し訳ない
- 相手に手を煩わせることになるのが申し訳ない
- 相手に心配をかけることになってしまうことが怖い
- 迷惑をかけることで馬鹿にされるかもしれず、プライドが傷付く
- 迷惑をかけることで嫌われるかもしれない
- 自分の無能さを認めなければいけなくなる
申し訳ないという自己否定や罪悪感、そして自分に能力が足りないことを認めなければいけない恐れ、そしてそれらによって人に嫌われることへの恐れ…
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迷惑をかけたくないと思ってしまう時の考え方➂「本当に相手が迷惑だと思っているか」を理論的に考える
すごく繊細だったり気遣いし過ぎてしまうと、相手の顔色を見て何となく「迷惑なんじゃないか」とか、「自分がされたら嫌だから相手も嫌なはず」とか、真実ではなく憶測で考えてしまいがちではないでしょうか?
私も心理学を学んで初めて考えてみたのですが、相手に聞いたわけでも言われたわけでもなく、自分の中で考えている想像であって、事実ではないことも多かったんです。
- 義両親に子供を預けたら迷惑だろうと考えていたが、預けられる方の事実は楽しみにしていた
- 風邪をひいた時、仕事を休んだら迷惑だろうと考えて無理に頑張っていったら、「そんな体で仕事に来られたらこっちが気を使わなくてはいけないから困るよ」と事実が逆だった
- 学校帰りの娘がお友達のところに遊びに行くと言い、迷惑だろうと思っていたら、お友達のお母さんは「娘の遊び相手になってもらえるから逆に助かる」と言われた
- 離婚して実家にお世話になる時、実家に迷惑が掛かると思って辛かったが、「鬱で大変な私と娘を二人にする方が心配をかけるんだから、安心してここにいて」と言われた。
- 娘が熱を出し夜勤を変わってもらいたい時、相手に迷惑だと思っていたが、「夜勤手当が増えて嬉しい」と逆に喜ばれた
上記のように、私の考えは勝手な想像であって、事実ではないこともありました。
その辺りの事実をしっかり確認すると余計な心配はいりません。
だとしても、相手が気遣いをしてくれているだけかもしれないし…
本当は迷惑かもしれませんよね?
実は私も「相手は私に気遣いをしていて、本当は迷惑なのかも…」と考えていましたが、その私の考えでさえも想像でしかないんです。
相手が気遣いをしてくれていたとしても、相手が言ったことが事実です。
相手が本当は迷惑なのに断れなかっただけだとしたら、それは相手の問題であって、無理矢理ごり押ししたわけではなく「OKだよ!」と気軽に言われたら、それが事実なんです。
♦うまく自己主張ができなくて断れない…そんな方への記事も書いていますので、興味がありましたら是非読んでみてください!
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迷惑をかけたくないと思ってしまう時の考え方➃迷惑をかけてしまうことは悪いことなのかを考えてみる
自分では迷惑をかけたくないと思っていても、どうしても仕方ない時もありますよね。
相手にとっても実は迷惑な時ってあるかもしれません。
でも、迷惑をかけてしまうことは悪いことなんでしょうか?
生きていく中では、思わぬトラブルや予期せぬ出来事も起こります。
私だけではなく、生きていればほとんどの人がそうだと思います。
例えば子供が小さい時、公共の場で大泣きされたりした時なんかはすごく迷惑をかけているような気がして、早く外に出さなければとオロオロしたことがあります。
でも、子供が泣いてしまうのって仕方ないんですよね…。
頑固おやじみたいな人が「子供も泣き止ませられないのか」と冷たい目で見るようなフィクションを見ることもありますが、その頑固おやじみたいな人の方がどうかしていると思っちゃいます。
だからといって「開き直っても大丈夫!」という話ではありません。
「迷惑をかけてはいけない」という信念が強すぎると、その信念に囚われ過ぎてほんの小さなことでも迷惑だと感じてしまい、身動きが取れなくなるのではないでしょうか?
「迷惑をかけてはいけない」という考えと、正反対の「迷惑はどんなにかけても良い」という考え。どちらかに強く傾きすぎると、問題を抱えてしまうのだと思います。
あまりに「迷惑をかけてはいけない」が強すぎると、気楽に迷惑をかけている人に対して怒りさえ持ってしまいます。
♦嫌いな人についての記事を読んで頂くと、なぜ自分と正反対の人に怒りやモヤモヤを持ってしまうのかが分かると思いますので、ぜひ読んでみてください。
「迷惑はかけないに越したことは無いけど、人間だから迷惑かける時もあるよね」というフラットに近い考え方になると、「お互い様」という優しい考え方になるのではないでしょうか?
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「人に迷惑をかけてはいけない」と考えてしまう原因とは?
私達は小さなころから「人に迷惑をかけてはいけない」という教育を受けます。
親からの教えであったり、近所の人たちの話だったり、学校での教えだったり…
誰も「迷惑かけることもあるから助け合いましょう」ということを積極的には教えてはくれなかったのかもしれません。
- 迷惑をかけると嫌われる
- 迷惑をかけると愛されない
- 迷惑をかけると意地悪される
- 迷惑をかけることは悪いことだ
上記のようなことを刷り込まれると、信念・ルールとして心の中で生き続けます。
または、親がとても疲れていたり病弱だったり苦労していたりすると、小さな子供は「迷惑をかけてはいけない」という親思いの信念を作り出すこともあります。
また、子供はまだできないことも多いので親が手を貸す必要があると思うのですが、その時に愛情をもって接してもらえず、怒りで叱り付けたりすることによっても同じようなルールや価値観が出来上がってしまうこともあるでしょう。
では、どうすることが最善なのでしょうか?
次に見ていきましょう。
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人は迷惑をかけあって生きている
人は生まれた時からお世話をしてもらって生きています。
私自身、極度に「迷惑をかけてはいけない・迷惑をかけるのは情けないこと」などという価値観を持っており、いつも気を張ってピリピリしたり、不安で自分自身を責めることも多く、情緒不安定な時もあったんです。
しかし、人って助け合って生きているということに気が付いたんです。
- 私が仕事を休む時はカバーしてもらい、誰かが休んだらカバーする
- 子育てが疲れたら人の力を借りて、相手が何かで困った時は力を貸せる
- 家事に疲れて家事代行サービスを使ったら、業者が豊かになり生活できる
- 病気で動けない時は病院に連れて行ってもらうけど、元気になったら恩返しできる
- 1人では大変なことでも家族で役割分担することで、少し楽になる
- 学校を休んだらノートを貸し合えば困らない
だからといって、思いやりも持たず人の迷惑も考えないという生き方は、私は好きではありません。
でも、今まで人に迷惑をかけることが怖くて頑張りすぎてしまったと感じてつらいのなら、ぜひ小さなことから「人のお世話になること」をしてみてください。
もちろん、助けて欲しいと言われた時は余裕があれば助けてあげてください。
お互い迷惑をかけあって生きている。
腹が立つこともあるかもしれない。
でも、助け合うことでお互いの負担が半分こになり、暖かい気持ちが倍になるかもしれません!
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まとめ
迷惑をかけないように生きるって本当に大変です。
考え方を変えることも大切ですが、行動して体験することで腑に落ちて自分のものになります。
読むだけでホッとしてもらえたら嬉しいですが、人生を変えたければ勇気を出して少し人に頼ってみる練習をしてみるといいと思います。
「大丈夫なんだ!」という体験を積むことで、安心感が生まれてくるはずです。
もちろん自分のタイミングで大丈夫です。
今より少しでもリラックスして生きられますように、参考になってくれたら嬉しいです!
この記事ではユーザーさんから届いた悩み相談にお応えしながら、実際に私が体験した克服方法や私が考える「迷惑をかけてはいけない」と思ってしまう原因についてご紹介してきました。
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3日間お悩みを聞かせて頂き、根本原因を見付けます 恋愛や人間関係、心のお悩みが解決に向かうようにお話を聞きます
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